甘くて、懐かしくて、 ほろ苦い、〈秘密〉
貧しかった時代の手作りおやつ、日曜学校で出合った素敵なお菓子、毎朝宿泊客にドーナツを配るホテル、哲学させる穴……。文庫オリジナル。
ハチミツを思わせるキツネ色に粉砂糖の白、匂い、サクサクとした歯触り、丸い形、ふくらみ、真ん中の穴、言葉の響き、ドーナツは幸せを運んできます。材料が乏しかった時代の手作りおやつ、朝食用のドーナツが段ボールでロビーに置かれるホテル、小さな教会の日曜学校が出合った初めて目にするお菓子、哲学的思考を呼び覚ます穴の存在―、多くのドーナツ好きが文章を寄せてくれました。
目次
第一章 ドーナツの思い出
◎コラム①
ミルクホールとドーナツ 吉沢久子
焼いもとドーナッツ 五所平之助
銀ぶら道中記(五) 岸田劉生
池 小出楢重
お菓子はほかのことを思い出させるものだ 植草甚一
始まりは、ドーナツ屋さんのあるところ。 三島邦弘
手作りドーナツの味 俵万智
手づくりドーナツの味 阿古真理
お菓子はときに人のノスタルジーをかきたてる 野口久光
祖母とドウナツ 行司千絵
ひみつ 田村セツコ
高度に普通の味を求めて 堀江敏幸
みんなの原で 井坂洋子
第二章 ドーナツの時間
◎コラム②
おまけのドーナツ 林 望
愛の時間 熊井明子
クリームドーナツ 荒川洋治
<ドーナツを食べた日>-「富士日記」より 武田百合子
ドーナツ 岡尾美代子
ドーナツ・メモランダム 丹所千佳
ニューヨーク・大雪とドーナツ 江國香織
テンダーロインの『ヴェローナ・ホテル』(第三話) 松浦弥太郎
ドーナツも「やわらかーい」 東海林さだお
真面目な人々 小池昌代
心を鎮めた壺いっぱいのドーナツ 高柳佐知子
第三章 ドーナツの穴
◎コラム③
ドーナッツ 村上春樹
おへそがない! 角野栄子
解けない景色 千早 茜
穴を食す 細馬宏通
ドーナツの穴が残っている皿 片岡義男
45回転のドーナツ いしいしんじ
穴を食べた 北野勇作
目には見えぬ世界 松村忠祀
第四章 ドーナツのつくり方
◎コラム④
ドーナツ 増田れい子
ドーナッツ作りにうってつけの日 筒井ともみ
ドーナツ ホルトハウス房子
わたしのドーナツ 西 淑
ドウナツ 村井弦斎
精進料理ドーナツ 西川玄房和尚
第五章 ドーナツの物語
◎コラム⑤
ドーナッツの秘密 長田 弘
ドウナツ 北原白秋
ドーナツ 清水義範
編者解説 ドーナツがなくなれば、穴もなくなる 早川茉莉
底本・著者プロフィール
(※版元Webサイトより)
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著者・編者 早川茉莉
出版者 筑摩書房
出版年 2014年10月
文庫判 / 281ページ